

■ GBC Scientific Equipment
(GBC)
オーストラリアのメルボルン郊外にある分析機器メーカーであり、原子吸光分析装置(AAS)や誘導結合プラズマ発光分光装置(ICP-OES)など、主にアジア、欧州、米国等で30年以上の歴史と多くの販売実績をもちます。

■ 本装置の概要
誘導結合プラズマ飛行時間型質量分析装置(ICP-TOF-MS)”OptiMass9500”は、ICPイオン化法とTOF型質量分析装置を組み合わせた、世界的にも類を見ない元素分析装置です。
一般的なICP-MS(四重極型質量分析装置)と同等の検出限界と、広いダイナミックレンジ(同時測定が可能な濃度範囲)を保ちつつ、飛行時間型ならではの分解能、質量数1~260の同位体を含む全元素完全同時測定により、他の装置では得られないデータ取得の可能性を提供致します。
■ 主な特徴
- 同位体を含む質量数1~260の全元素完全同時測定
- 30μ秒/1回の高速スキャニング
- 107以上のダイナミックレンジ
- GBC独自の技術であるスマートゲートシステムにより、不要元素を測定時に排除可能
- サンプル導入部、付帯装置を含む全自動測定
- レーザーアブレーション、ETV等、オプショナルな導入系からの試料取り込みタイミングを標準ソフトウェアにて設定可能
- 全元素同時測定による高精度指紋分析モード(サンプル間の元素組成マッチング)
■ OptiMass9500装置概要図

■ 測定原理
- ①Arプラズマトーチに導入された試料が分解、イオン化され、差動排気により真空を維持される質量分析部にコーンを通って導入されます。
- ②このイオンはビームプロファイルを調整された後、バンチされつつ垂直に加速されます。
- ③垂直方向に加速されたイオンビームは、運動エネルギーの方程式に従ってバンチ毎の各元素に質量数に応じた速度の偏りが生じます。
- ④量数による元素毎の速度の偏りにより、加速部からある距離の点で質量数毎の層(のようなもの)が生じます。ここに加速方向とは異なる方向へ電圧をかけることで、マトリクスや不要元素を測定系から弾き出すことができます(スマートゲート)。
- ⑤加速された各元素イオンは、リフレクトロンにより飛行距離(≒元素弁別距離)を得るために再度曲げられ、検出器へ質量数(同位体含む)に応じて異なるタイミングで導入されます。
この時間を横軸、検出したイオンの強度を縦軸にとることで、元素の種類と量を測定します。